問い合わせフォームの項目をサービスごとに出し分け、各サービス担当者に自動で振り分けてメールで通知する
はじめに
Zendeskにおいて、社内の複数サービスの問い合わせフォームを一本化し、そこに送られてきた問い合わせを対象サービスの担当者に自動で振り分けてメールで通知するための設定について記載します。
前提
実現したいこと
弊社の以下3サービスの問い合わせフォームをZendeskで一本化します。
PLS(eラーニング事業)
プレセナアカデミー(toC向け研修事業)
Nest(研修管理システム)
また、サービスによってフォームの入力項目を自動的に変更し、各サービスごとに適切な情報を収集できるようにします。 具体的には、「対象サービス」「お名前」「ご利用環境」など全サービス共通で入力してほしい項目は常にフォームに表示しますが、 各サービスにおいて独自で入力してほしい項目(例えば「ユーザーID」など)については、 フォーム内でそのサービスが選択された場合のみ表示するようにします。
さらに、フォームから受け付けた問い合わせを自動的に対象サービスの運用担当者に振り分けた後、メールで担当者に通知するようにします。
なお、以下の手順では、PLSを設定する際の流れを記載します。
設定手順
STEP1:フォームをサービスごとに出し分けできるようにする
カスタムチケットフィールドを作成する
フォームの質問項目を検討する
今回の場合、作成したいチケットフィールドの種類は大きく分けて二つあります。
どのサービスにも共通して必要なもの
あるサービスのみに必要なもの
上記を踏まえ、以下のチケットフィールドを作成することとします。
対象サービス
所属企業名
お名前
ご利用環境
PLS用フォーム
なお、チケットの件名や説明のフィールドは、標準フィールドとして既に存在しますので、新たに作成する必要はありません。
チケットフィールドを設置する
まずは管理センターのサイドバーにある[オブジェクトとルール]をクリックし、[チケット]の下の[フィールド]を選択後、右上の[フィールドを追加]をクリックします。
次にフィールドタイプを選択します。 各フィールドタイプの詳細についてはこちらを参照してください。 今回の場合、「対象サービス」というフィールドを作成するときにはドロップダウン、それ以外のフィールドを作成するときにはテキストを選択します。
その後の入力方法はこちらの[カスタムチケットフィールドを作成する]>[カスタムチケットフィールドを追加するには]の手順3以降をご覧ください。
ここでの注意点として、[権限]で選択するオプションは[顧客は編集可能]にします。
今回の場合、フォームの内容はすべて顧客に入力してもらうチケットフィールドしかないからです。チーム内での管理のためにエージェントのみが入力できるチケットフィールドを作成する場合は[エージェントは編集可能]を選択します。
また、[顧客は編集可能]を選択することで、ページの下部に以下が表示され、リクエストの送信時に入力を必須とするかどうか選択することができます。
入力が完了したら忘れずに[保存]します。
問い合わせフォームを作成する
上記で作成したチケットフィールドから必要なものをピックアップしてフォームを作っていきます。
まずは管理センターのサイドバーにある[オブジェクトとルール]をクリックし、[チケット]の下の[フォーム]を選択後、[フォームを追加]をクリックします。
フォームのタイトルを適切なものに設定します。
[利用可能なチケットフィールド]からフォームに追加したいチケットフィールドの[+]を選択します。 チケットフィールド「対象サービス」の選択内容によって他のチケットフィールドを出し分ける設定は後ほど行いますので、ここではフォームの中に含めたいすべての項目を選択しておきます。
なお、選択したチケットフィールドの並べ替えも可能です。 以下赤枠内のアイコンをドラッグすることで並べ替えができます。
フォームに盛り込むチケットフィールドの選択が完了したら忘れずに[保存]します。
作成したフォームに条件を設定する
チケットフィールド「対象サービス」で選択する内容によって、フォーム内に表示されるチケットフィールドが切り替わるように設定します。 具体的には、「対象サービス」で「PLS」を選んだ場合、PLS用のチケットフィールドがフォームに表示されるようにします。
設定方法
まずは管理センターのサイドバーにある[オブジェクトとルール]をクリックし、[チケット]の下の[フォーム]を選択後、条件を追加したいチケットフォームの右側の[︙]から[条件]を選択します。
[条件の適用対象]を[エンドユーザー]にし、[条件を追加]ボタンをクリックします。
表示されるダイアログボックスで以下の画像のように設定します。 これで、チケットフィールド「対象サービス」で「PLS」が選択されたら「所属企業名」「ご利用環境」「PLS用フォーム」「お名前」(+フィールド設定で必須入力としているもの)のフィールドを表示できるようになります。
なお、チェックボックスにて必須とするかどうかも忘れずに設定します。 チケットフィールドで設定した必須要件よりも、こちらの条件設定チケットフィールドの内容が優先されるため、フォーム上で入力必須としたいものはここでも設定しておく必要があるからです。 ここで必須にチェックを入れない場合、フィールドでは必須に設定していても、実際にフォームで入力する際に必須とならないので注意してください。
入力が完了したら忘れずに[保存]します。
STEP2:受信した問い合わせを対象サービスの担当者に振り分けてメールで通知する
振り分け先および通知先となるグループを作成する
管理センターのサイドバーにある[メンバー]をクリックし、[チーム]の下の[グループ]を選択後、画面右上の[グループを追加]をクリックします。
[グループ名][グループメンバー]などを設定します。 今回の場合、[グループ名]にはPLS、[グループメンバー]にはPLSの担当者を追加しておきます。
入力が完了したら忘れずに[保存]します。
振り分けとメール通知を発動する条件を設定する
管理センターのサイドバーにある[オブジェクトとルール]をクリックし、[ビジネスルール]の下の[トリガ]を選択後、[トリガを作成]をクリックします。
[トリガ名][カテゴリ]などを設定します。
どんな時にアクションを実行するかを[条件]で設定します。 条件は複数設定が可能です。 なお、条件に当てはまった際のアクションは後で設定しますので、ここでは設定しません。
今回は以下のように設定しました。
チケットフィールド「対象サービス」で「PLS」が選択されていること
チケットのステータスが新規であること
振り分けとメール通知を実行するよう設定する
上記で設定した条件が満たされたときに実行される[アクション]を設定します。 アクションは複数設定できます。
今回は以下のように設定しました。
問い合わせチケットを「PLS」というグループに割り当てる
「PLS」というグループに所属しているメンバーにメールで通知する
なお、メールで通知する際の件名や本文はカスタマイズすることができます。 本文の{{ticket.url}}の部分をプレースホルダといい、チケットに関する様々な情報を取得することが可能です。 プレースホルダは[メールの本文]の入力欄の下にある[使用可能なプレースホルダ]からコピーすることができます。
入力が完了したら忘れずに[保存]します。
これで、以下が完了しました。
一つの問い合わせフォームでサービスごとに項目を出し分ける動的フォームの作成
問い合わせ対象サービスの担当者に自動でチケットを振り分けてメールで通知する設定
参考ページ
最終更新